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読了本に対する個人的感想。 読書メーターから引っ張ってきたり。 無論、趣味は読書と本屋めぐり。積読本等は随時更新。
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相変わらず可愛らしいのに。
最初は本当に変わらぬ二人なのに。

本を読みつつ、ついつい声が出てしまった。二人が悲しくて、切なくて、辛くて、苦しくて。
白火のその硝子のような(語弊があるやもしれぬが)純粋で透き通った瞳が涙で、負の感情で潰されないように必死な巻。

そんな、気が、した。

蒼馬と朱鬼の別れはなんとも言えず、寂しいのか嬉しいのかはたまたわかりきっていたことなのか。

それには私は心打たれたし、好きな場面ではあるが。

如何せん、白火だ。

帯刀に嫁ぎ、柚木座は守った。
あるいはそれは白火にとっては安心する場所、ふわりと包み込まれる場を己の物としたわけであるが。

しかし、この巻は二人とも"らしく"無い。

そう考えるのは無しだろうか。

蒼馬の太夫は全てを掴むのにそれを避け、白火の姫は追いかけなかった。

逃走したのは氷見の文だが状況が状況ゆえ、彼としてもおとなしくしていた方が懸命であることに間違いは無いが。

外の事を知ろうとしなかった。

結果、有楽は倒れて確かに突き放し、舞を扇を置いて愛しの姫さえ置きざりにして奪われた相手は帯刀。

自身の届かぬ、殿上人。

一人、余りの衝撃に蒼馬が最大の一撃を白火に与えて突き放して混乱して柚木座は興行できなくて自身は無理してるのにわかってなくて帯刀に、彼を探したのに落ち着いたのは琵琶の音で。

結果、泣き臥した彼女は確かに後ろ楯となって柚木座に貢献し、自ら帯刀の嫁となり安穏の、己の休息を手に入れた。

しかし相見え、披露目は彼の目の前で。

この先どうなるかわからぬ程の糸がもつれ合い、ひしめきあい、互いを離すまじとする。

本当に、愛せるのか。

本当に、嘘は付いていないのか。

それで、貴方は許せるのか。

それで、貴女は素直なのか。

絶対の愛しさはどこに向く―?

婚礼まではあと幾ばくもなく。それをしたら最後。
二度と、二度と結ばれることは、無い―
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